書評
2024年は映画監督・岡本喜八(1924〜2005)の生誕100周年。 ということで、年始に出版された前田啓介『おかしゅうて、やがて悲しき 映画監督・岡本喜八と戦中派の肖像』を読んだ。著者は1981年生まれの読売新聞記者だが、映画記者ではなく、文化部で近代史を…
先週、『ふぞろいの林檎たちⅤ 男たちの旅路<オートバイ>~山田太一未発表シナリオ集』(国書刊行会)を読んでいる最中に、著者である山田太一の訃報が届いた。享年89。 なぜこの脚本集を読んでいたかというと、12月2日に西荻窪の今野書店にて開催された、…
中学生の頃から文章に触れていた映画評論家・山根貞男が2月20日に亡くなった。享年83。 最後の著書がまさに2月に出たばかりだったと知り、追悼の思いで読んでみた。『映画を追え フィルムコレクター歴訪の旅』(草思社)。いやぁ、これは『探偵! ナイトスク…
昨今の出版界においては「映画の本は売れない」と囁かれているらしいが、それにしちゃヴィジュアル豊富な豪華本や映画人の自伝に評伝、マニアックな研究書が次から次へと書店に並ぶのはどうしてなんでしょうね。志高き出版人や編集者がまだまだ健在というこ…
『ノッホホン氏』や『すってんころりん劇場』で知られるナンセンス漫画の大家・秋竜山は伊豆の半農半漁の家の長男として生まれた。過酷な労働に追われていた少年時代のある日、彼は観光客が読み捨てていった一冊の文庫本を拾った。フランツ・カフカ『変身』…
『サスペンス小説の書き方〜パトリシア・ハイスミスの創作講座』を読んだ。原著は1966年に初刊行、1981年には増補改訂版が刊行され、今も読み継がれているという。 序文の一行目に書かれている通り、この本は小説執筆についてのハウ・トゥー本ではない。作家…
個人的にもっとも好きなギドク作品『サマリア』(2004) 1月20日の夜、アメリ
前回のブログから、はやくも2ヶ月あまりが経過しました。 みなさんいかがお過ごし
吉田喜重『贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争』(文藝春秋)https://b
『栗本薫と中島梓 世界最長の物語を書いた人』(早川書房) 今年は、栗本薫こと中島
先日、原尞の新作『それまでの明日』と奥泉光の新作『雪の階』を読んだ。どちらも殿
2013年に出版された山口果林の『安部公房とわたし』が、3月21日に改めて文庫
『鮎川哲也探偵小説選』(論創社) かつては旺盛に執筆していた作家が、晩年パッタリ
公式サイト https://www.iwanami.co.jp/book/b26
NHK「訪問インタヴュー 安部公房」(1985) 昨年の秋、日本映画専門チャンネ
『村上春樹と私』ジェイ・ルービン(東洋経済新報社) 夏目漱石、村上春樹をはじめと
『<喜劇映画>を発明した男〜帝王マック・セネット自らを語る』(訳・石野たき子 監