『ノッホホン氏』や『すってんころりん劇場』で知られるナンセンス漫画の大家・秋竜山は伊豆の半農半漁の家の長男として生まれた。過酷な労働に追われていた少年時代のある日、彼は観光客が読み捨てていった一冊の文庫本を拾った。フランツ・カフカ『変身』…
この20年、本公演をかかさず観賞しているシベリア少女鉄道の新作『どうやらこれ、恋が始まっている』(作・演出 土屋亮一)を観てきた。 数年前、このブログでシベリア少女鉄道の「ネタ」のパターンを細かく分析したことがある。 1・シリアスなドラマが後半…
『サスペンス小説の書き方〜パトリシア・ハイスミスの創作講座』を読んだ。原著は1966年に初刊行、1981年には増補改訂版が刊行され、今も読み継がれているという。 序文の一行目に書かれている通り、この本は小説執筆についてのハウ・トゥー本ではない。作家…
4月にスタートするレギュラー仕事の準備に入ったため、年始から忙殺されておりました。この間にも世間ではさまざまな出来事があったが、何はともあれ、ロシアによるウクライナ侵攻である。 21世紀の先進国首脳の中では、キャラの濃さと危険度において段違い…
今年の映画見物は、2本の映画人を扱ったドキュメンタリーからスタートです。ビョルン・アンドレセンの人生と現在を描く『世界で一番美しい少年』(監督クリスティーナ・リンドストム&クリスティアン・ペトリ)と、夭折したジョン・ベルーシの生涯を描く『BE…
David Lean(1908〜1991) 2021年は、映画監督デヴィッド・リーン(1908〜1991)の没後30年にあたるのだが、映画ファンの間で特にその話題が出ることはなかったようだ。『戦場にかける橋』(1957)や『アラビアのロレンス』(1962)の巨匠も、その名声に比して…
白亜の城・金沢城 この3ヶ月あまりの間に、仕事で何度も金沢に行っていました。 その仕事とは金沢城関連のもの。コロナ禍で城めぐりもひさしくできなかった分、存分に城郭探訪を楽しんでまいりました。仕事の方では触れられなかった部分を中心に旅の感想を…
シス・カンパニー公演『友達』(上演台本・演出 加藤拓也)を観た。 安部公房の戯曲としてはいちばんの知名度を誇るこの作品、やたらあちこちで上演されている印象があるが、有名俳優を揃えたメジャー公演として取り上げられるのは、2008年の世田谷パブリッ…
何年も前からケラリーノ・サンドロヴィッチが上演の意思を表明していた『砂の女』の舞台化が、緒川たまきとの夫婦ユニット「ケムリ研究室」でついに実現した。 大いなる期待と若干の不安を抱きつつ観劇してきたので、その報告を。 安部公房の代表作『砂の女…
「シャイニング 北米公開版〈デジタル・リマスター版〉」上映作品詳細 - 午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作 なんだかメダルの数を競っているのか感染者の数を競っているのかよくわからない日々の間、私は冷房の効いたオフィスの一室に閉じこもっ…
休業期間が終わって、またぞろ忙しくなってきた(と、書き始めて知ったが『またぞろ』って漢字では『又候』って書くのだね。『またそうろう』の音変化)。 どうやら今月いっぱいは映画館に顔を出すのも難しい見通しだ。しかしチェン・ユーシェン(陳玉勲)の…
今年は勅使河原宏(1927〜2001)の没後20周年。ということで、シネマヴェーラ渋谷では、その映像作品の特集上映「アートを越境する〜勅使河原宏という天才」が開催されている。 映画監督としての勅使河原宏は、これまでまとまった評価がされてきたとは言い難…
三度目の緊急事態宣言がまたまた延長され、いろんな業界が休業なのか時短なのか、ワクチン接種はどうなるのかとゴタゴタしている今日このごろですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。 さて、NHKドラマ『今、ここにある危機とぼくの好感度について』が最…
NHKの朝ドラ『おちょやん』が最終回を迎えた。 この数年、改めて朝ドラをチェックしているのだけど、『おちょやん』はもっとも見応えある作品だった。全話の録画をBlu-rayに焼き、保存盤を作成したのは『あまちゃん』以来のこと。まぁ、私は舞台とか撮影所と…
先週、NHK-BSプレミアムで、マルクス兄弟の最高傑作として名高い、レオ・マッケリー監督『吾輩はカモである』(1933)が放送された。NHKの衛星放送でマルクス兄弟が放送されたのはこれが初ではなかろうか。画質はまずまず、数々のダジャレやジョークを表現す…
個人的にもっとも好きなギドク作品『サマリア』(2004) 1月20日の夜、アメリ
公式サイト https://tezukaosamu.net/jp/mushi/e
片岡一郎『活動写真弁史 映画に魂を吹き込む人びと』(共和国) 「早いもので、20
今、某局のレギュラー子供番組で、ドラマパートの演出に参加しているのだけど、ウチ
前回の更新から早くも2ヶ月半が経過してしまった。 休業期間が明けてからというも
前回のブログから、はやくも2ヶ月あまりが経過しました。 みなさんいかがお過ごし
吉田喜重『贖罪 ナチス副総統ルドルフ・ヘスの戦争』(文藝春秋)https://b
いやはや……。 じつは先週末から「休業」を仰せつかり、自宅で過ごしています。「
公式サイト http://donquixote-movie.jp/ 先週は、モン
「こんちはー、今年のベストテンをうかがいにまいりましたー」 「三河屋の御用聞き
プロモ映像 https://www.youtube.com/watch?time
公式サイト https://kubrick2019.com/ 今年はスタンリー・
公式サイトhttp://www.tokyosaiban2019.com/ この夏
公式サイト https://www.vacant.vc/single-post/
『栗本薫と中島梓 世界最長の物語を書いた人』(早川書房) 今年は、栗本薫こと中島